公聴会参加者は20名弱でした.
審査する教授が全部で5人と,私の所属する研究室の准教授・客員教授がそれぞれ1名.
学外の専門家として先に書いたN博士と,六ヶ所村の日本原子力研究開発機構から参加いただいたS博士.
会社からは5名(うち博士は3名),学生が数人.うちの研究室からは私の下のM2とB4が1名ずつ.
後は顔を知らない学生が2,3人.ちょっと老けた感じだったので,他の研究室の博士課程の学生が,公聴会と言うものを見に来たのかもしれません.
公聴会は定刻に,主査である指導教授の司会で始まりました.
司会と言っても,単に「XXさんの博士論文審査のための公聴会を始めます.まずは論文の概要を90分程度で発表してください.」
とだけ言われてすぐに席に座られたので,ちょっとあせってしまいましたが….
その後は,練習どおりに発表していきました.途中で指導教授に言われた「笑い」を取ることも忘れずに,順調に発表していました.
しかしながら,追加分や公聴会本番と言うことで少しゆっくりめに話していたせいか,
1時間経過したところで壁の時計を横目で確認すると,予定よりも1節分遅れていることがわかりました.
この1時間のところで,話の対象が変わることもあって水分補給を兼ねて一息入れるつもりだったのですが,そんな余裕は消し飛びましたね.
少し早口に切り替えて前半残りの1節を終わらせて,ほんの一口水を飲んだだけで一息入れることもせず後半に入りました.
後半もなるべく早口で話していたおかげで,発表は当初の予定通り100分丁度で終わることができました.
さすがに100分喋りとおした後は,少し息が上がってましたね.
で,発表の後は質疑応答です.
副査2人,副審査委員2人ですが,副査の先生は論文に関係のある分野の先生,
副審査委員の先生は,分野に関係なくその年度に指名されていくつもの公聴会で審査をされる方となっています.
質問は副査→副審査委員→学外から招いた当該分野の専門家→私の研究室の客員教授の順に行われました.
質問は簡単に答えられるものが多かったのですが,いくつかシビアなものもありました.特に,厳しい質問をしそうだと予想していた2人は,ほんとに厳しい質問でした.
ここまでで大体予定通り50分経過していたので,もう終わりかなと思っていたら,指導教授の他に何か質問のある方?という問いかけに私の会社の顧問からも質問を受けました.
私の分野の研究者なら常識みたいになっていることをご存じなかったらしく,それについて非常に興味を持っておられました.
結局,公聴会自体は予定を約10分オーバーした,160分(2時間40分)で終了しました.割と和やかな雰囲気を維持できたのは良かったと思います.
公聴会の後は,来ていただいた方々に挨拶する間もなく,別室にて学力審査がありました.
これは,副査の先生2人から論文の内容や物理全般について色々と質問され,それにきちんと答えるというものです.
あと,裏の意味合いとして,
「博士号取ったからといって,これがゴールじゃない.それどころかこれからがスタートのようなものだ.
もっと研鑽を怠らないよう,自分の知識や能力がまだまだなものだと認識しろ」と言うことを痛感させるものらしいです.
つまり,ひたすらいじめられるということです.実際,意表をつかれる質問とかありました.
一応,学力審査も無事終了して,その後は客員教授の手配してくれた新田辺の居酒屋で慰労会でした.
会場に移動してる時や食事の最中に,指導教授から「良い公聴会だった.みんな退屈してなかったし,質問が多かったのは内容をきちんと理解してもらったからだ.うん,良い公聴会だった.」と言っていただけたときには,本当に嬉しく,これまでの苦労が吹き飛んだような気がしました.
実際に学位審査の合否が出るのは2月の中頃で,学位授与は3月22日になりますし,博士論文の修正や印刷製本もありますが,まずは一息というところでしょうか?