先週の水曜日に,大学において,親会社との合同技術懇談会がおこなわれた.
私が今勤める会社は,某中堅電機メーカー(設備メーカーなので,地元を除いて一般の知名度はほとんどない)の子会社.
その親会社と大学が年に2回,それぞれの技術動向についての発表をおこなっている.
今回で5回目.実際には5月に実施されるはずだったのだが,新型インフルエンザに伴う休校処置で,1回中止となっていた.
今回は,私のいる子会社とは別の子会社の技術発表がメイン.
普通なら,今回私が参加する理由は無いんだが,実は研究室の修士が1人,来年親会社に就職する関係で急遽発表することになった.
でも,その修士の研究テーマは,今回中心の子会社とはほとんど関係ない.
そこで,親会社の幹事が発表予定修士のいる研究室と共同研究している私に白羽の矢を立てた.
直接親会社の幹事(親会社の技術研究所の主幹)から電話があったのだが,彼は単に私が共同研究者の担当としか知らなかった.
通常ならこういう業務は,年に2,3回大学に行くくらいで終わってしまう(共同研究費の額的にも).
彼からの電話は,私がどのくらいその研究室のことを把握してるのかを確認するような質問から始まったが,その後の懇談会の説明等々,5月の段階で充分把握している内容だった.ちょっと長くなりそうなので,自分が指導教授に誘われて現在社会人博士課程に在籍していること,平均すれば週に1回以上のペースで研究室に行っていること,etc.,を説明したら,今回の懇談会にぜひ参加して欲しいと要請を受けた.まぁ,うちの修士の発表を理解できる人間がいなかったせいなんだが.
懇談会は,大学学部の特別講義に指定されていたらしく,学部生が200人ほど集まる盛況な状態だった.
まず子会社社長のあいさつから始まった懇談会だが,次の子会社技術の発表をした人が予定時間を大幅に(10分くらい?)超過.
その次がうちの修士の発表だったのだが,ここでトラブル発生.
プロジェクタに繋いであるパソコンが,彼女のファイルを読み込もうとしたところでフリーズ.
まぁ,普通ならこんな大人数の前でこんなトラブルに直面したら,修士の学生ならパニック状態になってもおかしくないのだろうが,
この学生,慌てず騒がすこの状況に対処して,発表を始めた.もちろん途中から他の人の手伝いも受けていたが,終始落ち着いていた.
また発表も,時間が押しているのを理解しているためか少し早口だったが,特に問題なく終了.
まぁこの娘は,4回生の時,生まれて初めての学会発表でも同じようなトラブルに見舞われてそれを無事に切り抜けていたので,私なんかは「あぁ,この娘,この手のトラブルに縁があるなぁ.」くらいにしか思ってなかったのだが….
これを見ていた子会社の社長(彼は私の斜め前に座っていた)が,「いや,あの子,こんな状態であれだけ落ち着いてるとは…」
いや,あの娘,親会社に就職ですよ?あなたの会社には行きません…,あ,いや,こちらの子会社は人事関係は親会社と共通だったか….
あぁ,まずいな.要らぬところで要らぬ人々に才能を見せすぎたようだぞ….
次の大学側の発表は,まぁふだんから発表慣れしている教授だったので問題はまったく無し.
こうして,懇談会は無事終了した.
懇談会修了後,大学内の教職員ラウンジで懇親会(なんかややこしいな)
どっかからケータリングサービスとビールやワイン等も出て,和やかな雰囲気でおこなわれた.
上記発表をおこなった娘は,うちの会社関係者に次々と捕まっていた.ここでも子会社社長がかなり気に入った様子…南無.
ちなみに,この懇談会の大学側の関係者に,私の博士論文の審査副委員がいたので,私の指導教授も含めて博士論文公聴会の日程調整をおこなったのは,話のついでです.
あ,そういえば,フィリピンからの短期留学生もこの懇親会には参加していて私も少し相手していたのですが,そのときに副審査委員の教授が
「なんや,あんた,英語ちゃんと達者にしゃべっとるやないか.(以下英語)博士論文の公聴会も英語でするか?」とか言い出したときには,いやな汗をかきましたよ,ほんと.
まぁ,そんなこんなで無事終了したんですが,ちょっと問題が….
この合同技術懇談会,年に2回実施されると書きましたが,どうやら来年も継続される模様.
で,こちら側の責任者が私に,「次の5月は,君のところ特集でするからね.君のところの社長と常務にはもうOKの返事を貰ってるから」と云ってきた.
ちょっと待て,いいから待て.
今うちの会社で,技術関係の実務をしている我が校卒の人間は,私しかいないぞ? しかも,私はうまく行けばこの3月に学位をここから貰うんだぞ? まずい!下手したら,私が技術関係の発表をさせられるんじゃないか?(実際,今回時間超過した馬鹿も,うちの学校卒の先輩)
まぁ,発表は構わないんだが,邪魔くさいなぁ.
(と言うことを考えていたら,もっと怖い可能性に行き当たった.今年の5月の懇談会がインフルエンザで中止になってなかったら,今回がうちの会社特集.となると,うちの会社でかつ大学院生という立場の私に,発表の話が回ってくるのはほぼ確実だったわけじゃないか! あ,あぶねぇあぶねぇ)